㉔ 中小製造業のグローバル展開 2回目(2/3)
~P2Mの中小製造業の現地法人への適用~
4.リーマンショックが海外の現地法人に与えた影響
その中小製造業にとって“2008年のリーマンショックの影響”は本当に大きかった。自動車や電機業界の製造業は国内市場だけでは生き残れなくなり、海外展開を更に進展させた。そのために2008年は中小製造業にとって“生き残りのためのグローバル化元年”となった。
更には、リーマンショックは日本国内だけでなく、“中小製造業の海外の現地法人”にまでも追討ちをかけてきて、「系列取引の減少」、「独自営業による現地企業との取引拡大」、「リストラチャリング」など大きな影響を与えた。
4-1 D社のグローバル展開の歴史
リーマンショック以降、日本的経営からグローバルスタンダード経営に
シフトしてくる。
4-2 リーマンショックがD社の経営環境を
大きく変化させた
特にコンプライアンスも重視される。2008年日本版SOX法が
施行され、“ガバナンス、内部統制、セキュリティなど”の体制が
整備される。つまり業務の流れやルールが文書化される。
5. プロジェクトとプログラムの関係
中国のビジネススピードは日本の10倍である。外部環境の急激な変化に
合わせて、D社の現地法人内のリストラクチャリングを実施して、
タイムリーにビジネスモデルを再構築していくことが求められている。
5-1 プロジェクトからプログラムへ ・・
その原因は外部環境の変化
中国ビジネスでは「あるべき姿」までが変化していく。
5-2 経営スタイル、改善・改革、目的、要件定義の
視点から分析
プログラムは「ミッション志向」であり、「事業戦略の達成」が目的
5-3 戦略、プログラム、プロジェクト、
ポートフォリオの関係
ポートフォリオの目的はプロジェクトから得られる価値や収益を
最大化することである。
5-4 プロジェクトとプログラムの目的の関係
プログラムの目的は「事業目標の達成」、「ミッションの達成」である。
プロジェクトの目的は「成果物の作成」である。
6. ビジネスモデルの運用の定着化と情報システム化
ビジネスモデルを構築すると、その運用を定着するために
情報システム化を図る。
6-1 D社のプログラムのフロー図
D社のプログラムマネジメントのフロー図は①⇒②⇒③⇒④⇒⑤と順番に展開される。
ツールとして、日本経営品質賞、BSC、プロジェクトマネジメントなどを活用する。
6-2 D社のビジネスモデルを定着させるには
“情報システム化”が必要
ビジネスモデルを業務の運用で安定的に定着させる。
下記の情報システムを構築する。
6-3 参考 D社の詳細業務フロー (生産関係分)
ビジネスモデルの変化に対応するために、
業務フローをテーラリングしていく。
7. プログラムマネジメントから見たD社の事業戦略
プログラムマネジメントでは、事業戦略の目標を達成するために、
全ての企業活動を最適化する。
7-1 D社のプログラムの概略
“ありのままの姿(as is)”と“あるべき姿(to be)”を明確にして、ステップバイステップであるべき姿に近づいていく。
7-2 D社のリスクは外部環境の要因が大きい
D社の市場、取引先、競合、イノベーション、法制度など外部環境は
大きく変化する。異文化コミュニケーションへの対応も重要となる。
7-3 D社のプログラムマネジメントの留意点
D社ではあるべき姿が常に変化するので
「先を見通す力、広い視野、高い視点」が求められる。
7-4 中国ビジネスでは“あるべき姿”は常に変化する
「専門的な知識・経験」だけでなく、
「総合的に俯瞰する見識・度量」が重要となる。
8. D社のプログラム推進体制
8-1 D社のステークホルダーとプログラムチームの
コンフリクト の解消
ステークホルダーマネジメントが重要になる。コンフリクトを回避せずに、中小製造業の特長を生かして、プログラムマネジャーは face to faceでステークホルダーの心を掴んで、シナジー効果で問題を解決していく。
8-2 スポンサー・プログラムマネジャー・
プログラムチームに求められるスキルと知識
D社のスポンサーとプログラムマネジャーはバイリンガル(日本語、中国語)であることを前提とする。
8-3 推進体制の設立についての留意事項
中小製造業の弱みを強みに変換!
柔軟性・機動力という中小企業の特質を生かして、D社の小規模のプログラムチームの生産性を上げる。
8-4 プログラムやプロジェクトの推進知性を支える土台
日本古来の精神・価値観を大切にしながら、西洋の技術を受け入れ、両者を良いとこ取りで調和させ発展させていく。「和魂」をベースに「洋才」を取り入れる。
8-5 結論 脱亜入欧から和魂洋才へ 「プログラム・プロジェクトマネジメント」や「異文化コミュニケーションやノレッジマネジメント」を活用して、和魂洋才の精神で事業戦略を達成する。言語によるコミュニケーションも重要である。 ![]() |
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